2006年11月読響正指揮者就任 下野竜也インタビュー

maestro-simono.jpg 11月29日正指揮者就任第1回目のコンサートを前にして、気鋭のマエストロ下野竜也は、ニコニコとレストランの若き料理人を思わせるかのように語り始めた。

 
下野
 中華料理店に行ったと考えてください。
普通、中華料理といえば、麻婆豆腐とかチンゲン菜のクリーム煮とかスタンダードなものを食べたいと思うでしょ。 けれども「体に良いちょっとマニアックな料理もありますよ」と出されると、なんだか、にんまり...という感じでしょうか。
  実は、私は正指揮者になってからそういうこともやろうと思っているのです。 ポピュラーな作曲家だけれども知られていないドヴォルザークの曲と、名前は知られていながらその曲が演奏会に挙がらないという作曲家ヒンデミットの「これは」と思う作品です。 ドヴォルザークとヒンデミットの作品は、ずいぶん前から取り上げてみたいと思っていました。
  シェフはシェフでいらっしゃいます、それも王道のミスターS先生が来られるので、王道の料理は出されると思うんです。 だから僕は、「時には蛇スープとかどうですか?」という具合に、そういう役割も、ちょっと喜々としてやりたいと思うんです。 まあ出すというからには体に良いものを。
  「意外においしい!」と言われるようなものを、読響で出したいんです。
――それにしても就任第1回目のコンサート・プログラムは凝っていますね。
モーツァルトの交響曲を挟んで、バッハの< シャコンヌ >にコリリャーノの交響曲第1番。
下野 :
 この曲を選曲した時は、正指揮者というお話はなくて、ゲストとして定期演奏会を指揮させていただく機会を与えられたものですから、コリリャーノの曲を提案しました。
作品との出合いは1997年大阪フィルの指揮研究員時代のことです。秋山和慶先生が指揮なさいましたが、脳天を打ち抜かれるほど感動したのです。
それまで、コリリャーノという作曲家の名前は知っていましたが、作品は知らなかったのです。研究員だけに、舞台上ではなく陰で(バンダの指揮)棒を振ることはあったのですが、ものすごい曲だったので、のちのち演奏出来ればと心に秘め、スコアを研究していたのです。
――東京国際音楽コンクールの指揮部門では斎藤秀雄賞を受賞されていますね、
それが今回のバッハ/斎藤秀雄編曲の< シャコンヌ >になったのでしょうか。
下野 :
 < シャコンヌ >に決めた理由は、コリリャーノの交響曲のテーマがシャコンヌだからなのです。第3楽章が舞曲のシャコンヌで出来ていて、それがこの交響曲の祈りのテーマになっています。コリリャーノがシャコンヌなのだから、バッハのシャコンヌを演奏して、プログラムに統一感を与えたいと考えました。
バッハは皆さんご存じのように、いろいろな形で演奏されますよね。オーケストラ編曲でいえばストコフスキーであったり、レスピーギであったり、シェーンベルクであったりしますね。形は変わっても、バッハ作品には、それを許容する懐の深さがあります。
日本の指揮者を目指す方というのは、何かしら斎藤秀雄さんという名前に関わりがあり影響を受けていると思います。コンクールで斎藤秀雄賞をいただいたということで、全く個人的なことですけどモニュメンタルなことでもあるのです。読響の指揮者に迎えてくださったことに対するご報告というか、感謝の気持ちです。
  これまで連綿と続いてきた読響の歴史の中で、私は"ピッコロ・マエストロ"ですけれども、いい意味で今でしか出来ない若い自分とオーケストラとの共同作業をとおして、いつも刺激的な、エキサイティングな、そして楽しい演奏会になるようにしていきますので、ぜひお運びいただいてご指導いただければと思います。
[2006年11月29日 18:07]

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