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三拍子揃っているのに頭打ち?...樋口 誠(コントラバス)

ウィーン・フィルの名首席奏者、故シュトライヒャーにも師事した樋口さんです。

コントラバス推薦の名盤を教えて?

 師が演奏したレコードです。すり切れるまで聴きました。ボッテシーニというコントラバス奏者兼作曲家のコントラバスとピアノによる小品がお薦めです。ボッテシーニはヴェルディと同時代の人で、〈アイーダ〉の初演を指揮しています。モーツァルトの時代までに、既にコントラバス独奏曲は100曲を越えていたんですよ。

この楽器はジャズでも主役ですね。

 共通の演奏方法は主にピチカートですが、クラシックだと全体の響きを豊かにする役割が多いのですが、ジャズでは、まさにリズム・セクションになり、ビートを刻みます。演奏方法自体に大きな違いはありませんが、音のイメージは色々違いがあると思います。

ストラディヴァリウスみたいな名器は。

 ストラディヴァリウスに関しては作られていないと言われています。グァダニーニとかガリアーノはありますよ。ヴァイオリンとはルーツが違いヴィオール属の楽器なんです。ヴァイオリンは4本弦、コントラバスは4本弦だったり5本弦だったり、イタリアでは3本弦の楽器もありました。また様々なチューニング方法がありましたが、現在では大体2種類に落ち着いています。弓もドイツ式とフランス式の持ち方の違う2種類の弓があります。読響は全員ドイツ式です。
 

ヴィオラにはキザミという用語がありますが、コントラバス独特の業界用語は?

 「白玉(しろたま)」っていうのがあります。ヴァイオリンが細かく旋律を弾いていても、コントラバスは2分音符とか全音符で音を伸ばし続けているんです。他にワルツのズンタッタッのズンを「頭打ち」と言ったり、マーチのドソドソという伴奏型を「一日十五日(ついたちじゅうごにち)」なんて言ったりします。面白いでしよ?

(聞き手:Y.K.)