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 1月22日(土)18時よりサントリーホールにて、第500回定期演奏会が開催されました。当団正指揮者・下野竜也氏の指揮で、池辺晋一郎氏の新作「多年生のプレリュード」とリスト「ファウスト交響曲」を演奏しました。多くのお客様にご来場いただき、誠にありがとうございました。
 
 開演前のプレトークでは、池辺氏と下野氏が新作についての思いを披露しました。
 そして終演後には、舞台上にて西村朗氏(作曲家)、片山杜秀氏(音楽評論家)、江川紹子氏(ジャーナリスト)、下野氏の4人をパネラーに迎え、「今、オーケストラに何を求めるか?」をテーマに、アフタートークが開催されました。(司会:横田弘幸/読響・理事長) IMG_0064_1.JPG
 
 このアフタートークでは、片山氏によりオーケストラの「今」が歴史的に示された後、パネラーからオーケストラの社会における役割について、様々な意見が交わされました。
 
 「オーケストラがある時代に生きていることを幸せに思う。」「人間を幸せとは何かを問うものが芸術。幸福追求の社会の中で、芸術というものがどう必要なのかを政治家の方にも考えてもらいたい」(西村氏)
 
 「これまで、経済効率や個々の楽しみを追求してきが、そのような社会で良いのだろうかと問い直されている時代。人間らしい非効率で不経済なものを大事にしていこうとされた時に、音楽やオーケストラのありがたさも伝わるのでは」(江川氏)
 
 「多くの選択肢がある中で、少しでもオーケストラが必要だなと思われるように努めたい。」「現代曲や知られてない曲を演奏することは、次の時代に曲をリレーするという役割でもある。これはオーケストラの存続意義に繋がる」(下野氏)
 
 「自分たちの歴史文化を、皆でそれを支えるというコンセンサスが、日本はヨーロッパより少し低いかもしれない。オーケストラというのはマイノリティが前提。価値観の多様性を認め、珍しい作品を演奏することで、オーケストラ文化の豊かさが保証されると思う」(片山氏)
 
 詳報は3月号の「月刊オーケストラ」で紹介いたします。