11日、12日公演で共演する清水直子さんにインタビュー

7月11日、12日公演で、バルトークのヴィオラ協奏曲で共演いただく清水直子さんに、5月末にベルリンでインタビューを行いました。
 
___現在、清水さんはベルリン・フィルの首席奏者を務めていらっしゃいます。首席奏者に就任されて、どのぐらいになりますか?
 
画像 007.jpg 2001年2月からですので、11年になります。あっという間でした。もともとがゆっくりした人間なので、最近になってやっと馴れてきたかなという感じです。
 
クラウディオ・アバドさんが芸術監督最後の年に弾き始め、その後、サイモン・ラトルさんの時代になりました。オーケストラの流れが、新しい事にチャレンジという方向を向いている時期で、現代音楽なども多く演奏されました。基本ともいえるようなブルックナー、マーラー、リヒャルト・シュトラウス、そしてベートーヴェンですら私にとっては初めてでしたから、「楽譜の雨あられ」に傘なしで佇んでいるような状態でした。楽譜が降って来る夢はさすがに見ませんでしたが(笑)、寝る時間もないほど必死で練習していました。 
 
 ___今回はソロを務めていただきますが、室内楽でもご活躍されていらっしゃいます。ご自身の中での、オーケストラ活動、ソロや室内楽活動の比重など、どのように考えておられますか?
 
ベルリン・フィルに入団した当初は、オケのレパートリーをこなすことで精一杯だった上、ひとつひとつに時間をかけたい性分なので、好きな室内楽や、ソリストとしての演奏活動の時間がかなり限られていました。今でもそれは変わりませんが、オケ曲のレパートリーが増えた分、時間に余裕ができ、全体のバランスが取れてきつつあるように思います。
 
数や他人の評価にこだわらず、自分のペースで、それぞれの内容を自分なりに出来るだけ充実させることを大事に活動していきたいと思っています。贅沢な抱負ではありますが・・・。 
 
___清水さんにとって、ヴィオラの魅力はどんなところですか?
 
ヴィオラには人の心に染み入るような音色や、気持ちに寄り添うような響きがあると思います。もちろん、協奏曲ともなれば華やかさも求められますが、世の中、華やかなものばかりではないですよね。時には暗く、時には温かく、画家がいろいろな色を紡ぎだすように、様々な音色をもっともっと追求していきたいです。それはバルトークの第2楽章を演奏していても、つくづく感じます。響きに関しては、オーケストラに入ってからずい分、耳が鍛えられました。自分の音に関しても、昔より目指す音に近づいてきたと思います。
 
「オーケストラで弾く時とソロで弾く時は違いがあるのですか?」という質問をよく受けますが、もちろん、そのアンサンブル形態の中での役割によって、違いは生じてきます。でも、楽器に対する想いは同じです。ヴィオラという楽器を演奏できる喜びを感じながら、長く演奏していけたら嬉しいです。 
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___曲目のバルトークのヴィオラ協奏曲についてお伺いします。ペーター・バルトーク版を選ばれた理由をお聞かせいただけますか?
 
実は、読響さんのシリーズ公演では今回が初めての共演ですが、1997年6月に日本テレビの「深夜の音楽会」で同じくバルトークを読響さんと共演させていただいています。この時は、シェルイ版でした。当時は、新版の存在はポピュラーではありませんでした。今回演奏させていただくのは、バルトークの息子ペーターさんが再編纂された新しい方の版です。
 
ヴィオラのパートに関して言えば、新版の方がバルトークの書き遺したものに近く、テクニック的な観点から言えば難しい。ちょっとした違いなので、どこが具体的に難しいかということは、「弾く人の秘密」って感じですけど(笑)。演奏する側にとっては山あり谷ありで、最初から最後まで気が抜けません。まぁ、それがある意味楽しいというか、スリリングではあります。コンサートでは、お客様にもその緊張感を共有していただければ思っています。
 
また、この作品には室内楽的な部分も多いので、メロディーの受け渡しなどオーケストラとの共同作業もポイントのひとつです。読響さんの実力はもちろん絶対安心ですので、あとは「しっかりしろ自分~!」といった感じでしょうか。
 
___指揮者の広上淳一さんとは共演されていますか?
 
2003年に、神奈川フィルさんとのベルリオーズ「イタリアのハロルド」で共演させていただいて以来です。ユーモアを交えて楽しく、しかし的確に練習を進められていて、素晴らしいマエストロだと感じました。その時のリハーサルで「そこは、アルプスの少女ハイジのように!」と指示されて思わず笑ってしまったのを今でも覚えています。今回、また共演させていただけて大変光栄ですし、とても楽しみにしています。
 
___音楽以外の時間は、どのように過ごされていますか?
 
そうですね、良く考えると音楽漬けの生活ですねぇ。私の場合なんでも時間がかかるので、仕事して家事をすると時間が余らないというか。睡眠不足が続くと思考がネガティブになるので、できるだけきちんと寝るようにしていますし。
 
最近のマイブームは、自転車通勤です。ベルリンの自宅から職場のフィルハーモニーまで、40分くらいかけて通っています。時間があるときは、ピクニック気分で少し遠回りしたりするのが楽しくて。今は、気候的にとても良い季節ですし、ダイエットにもいいかなと思って始めたのですが、動いた分だけ食べてしまうので、全然ダメですね(笑)。なにしろ食べるのが好きなので・・・。
 
___最後に公演への意気込みをお聞かせください。
 
バルトークの協奏曲は、ヴィオラ奏者にとって、避けては通ることのできない、そして演奏活動の中で何度も立ち戻ってくる重要なレパートリーのひとつです。初めてお聴きになられるお客様にも、曲の良さが少しでも伝わるように、そして現在の自分の一番良い部分を出すことができて、読響さんとガッチリ「タッグを組める」ように、練習に励んでいます。多くの皆様に会場でお目にかかれれば、嬉しく思います。
[2012年7月 5日 16:50]

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