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DSCN2328.JPG常任指揮者シルヴァン・カンブルランが来日し、明日17日(木)と19日(土)にマーラーの交響曲第4番をメインとするプログラムを指揮します。
 
読響練習所でのリハーサルが順調に行われています。リストでは、欧州で活躍するピアニストのニコライ・デミジェンコが共演するほか、初来日となる世界的ソプラノ歌手のローラ・エイキンがマーラーで美声を披露します。
 
カンブルランと読響は、昨年3月にマーラーの交響曲第6番を演奏し、音楽専門誌などで絶賛されており、今回の第4番への期待も高まります。マエストロ・カンブルランに、今回のプログラムについて語って いただきました。
 
___マーラーの第4番の聴きどころは?
 
DSCN2338.JPGマーラーの第4番の演奏をとても楽しみにしています。第1楽章は、ハイドンやシューベルトを思わせる古典的な様式に、繊細さやグロテスクな部分、シニカルな部分などが対照的に描かれています。第2楽章は、ヴァイオリン・ソロが印象的に書かれています。滑稽でグロテスクな側面があるため『死の舞踏』と呼ばれていますが、エレガントな部分もあります。今回は、私が信頼する素晴らしいヴァイオリニストのクリスティアン・オスターターク(ゲスト・コンサートマスター)さんが演奏するのもお楽しみください。第3楽章は、大変美しい楽章で、光に向かっているような希望を感じさせる変奏曲です。そして第4楽章は、ソプラノが入り、天上の世界で無垢な子供の夢を見ている世界が描かれています。世界のオペラハウスで歌っているローラ・エイキンさんの美しい声に耳を澄ましてください。詩的な中に皮肉も隠されていますが、決して悲しい音楽ではありません。
 
___前半のシェーンベルクとリストについて
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シェーンベルクは、無調などになる前の初期のとてもメロディックな作品です。短い10曲のワルツには、ヨハン・シュトラウス、シューベルト、シューマン、ベルリオーズ、ウェーバー、チャイコフスキーらの要素が散りばめられています。私は、この弦楽の作品をとても愛しています。演奏するのは、とても難しい作品なんですが・・・(笑)。今回、東京の皆様にご紹介できることを、とても嬉しく思います。
一方、リストはとても有名な作品ですね。印象に残るメロディがありますし、シェーンベルクとマーラーとの相性もとても良いと思います。2010年に一緒に共演したデミジェンコさんは、しっかりとした音楽観を持ち、テクニックだけでなく奥深い音楽性を発揮してくれると思います。
 
___最後に、お客様へのメッセージをお願いします。
 
春の東京で、シーズン・オープニングに皆様とお会いできることを嬉しく思います。新しいお客様ともお会いできることを楽しみにしています。有名な作品も、聴いたことのない曲にも、どうぞ積極的に耳を傾けてください。会場でお会いしましょう!
 
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明日17日(木)サントリーホール公演と19日(土)東京芸術劇場公演では、各日開演の1時間前から当日券を発売します。学生整理券も開演1時間前から配布します。皆様のご来場、お待ちしております。