(4)T・ジョルダーニ作品集 ロンドン、年号なし

コレクション画像4-1
《いとしい人よ》の冒頭部分

 アレッサンドロ・パリゾッティ(1853-1913)編纂の『イタリア古典歌曲集』に収められた《いとしい人よ(カロ・ミオ・ベン)》を歌ったり聴いたりしたことのある方は多いのではないだろうか。パリゾッティは、この曲の作曲者をジュゼッペ・ジョルダーニ(1751-1798)と記しているが、現在では、研究の進展により、トンマーゾ・ジョルダーニ(1733ごろ-1806)の作曲とする説が有力となっている(名字は同じであるが、この二人に血縁関係はない)。本資料は、ロンドンで出版されたトンマーゾ・ジョルダーニの楽譜9点(声楽曲8点、ヴァイオリン・ソナタ集1点)とトンマーゾ・ジョルダーニの署名入りの領収書2点をまとめて1冊に製本したものである。そのなかには《いとしい人よ》の楽譜も含まれている。今日、パリゾッティが付けたロマン派風のピアノ伴奏で親しまれているこの曲も、本資料に見られるように、もとは弦楽器と通奏低音の伴奏で演奏されるオペラ・アリア風の古典派音楽であった。
 トンマーゾ・ジョルダーニは、ナポリないしその近郊で生まれたとされる。ジョルダーニ家は、トンマーゾの父ジュゼッペ(《いとしい人よ》の作曲者とされたジュゼッペ・ジョルダーニとは別人)を座長とする旅回りのオペラ一座として、1745年頃にナポリを離れて以来、ヨーロッパ各地を公演し、1753年にイギリスに渡ってからはロンドンとダブリンを拠点に活動を展開した。当時、イギリスではオペラが熱狂的な人気を博しており、多くの劇場や作曲家が激しい競争を繰り広げるなか、ジョルダーニの一座も様々な作品を上演し、その中のいくつかでは好評を得た。特に評判の高い曲は様々な楽器編成に編曲されて出版され、そうした楽譜を収集した結果が、このような作品集になったわけである。なお、この楽譜に基づく《いとしい人よ》の演奏は、2009年2月1日に東京で行われた。

◆◆参考サイト
南葵音楽文庫所蔵のT・ジョルダーニ作品集を閲覧する。

[2014年4月23日 17:02]

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