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2015年度シーズンが間もなく開幕します。4月4日、5日は、常任指揮者カンブルランの指揮で、グルック、ハイドン、バルトーク作品によるバラエティに富んだプログラムを披露します。3月31日にカンブルランは元気に来日し、現在4日に向けてリハーサルが行われています。カンブルランに、4日と5日のプログラムについて、聴きどころなどを話していただきました。
 
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DSCN2913.JPG■バルトーク「管弦楽のための協奏曲」について
今回は、メインにバルトークの「管弦楽のための協奏曲」を取り上げますが、この曲はシーズンのオープニングとして相応しい作品です。この20世紀を代表する重要な作品で、オーケストラの特徴がとてもよく表れ、各楽器のソロもたくさん出てきます。管楽器だけでなく、第2ヴァイオリンやヴィオラなどのパートもソロのように活躍します(笑)。オーケストラ繊細さや音色の豊かさ、華やかさを感じられる作品です。また、バルトークの人生における生きる喜びが表れているのと同時に、故国を離れた地からの郷愁の気持ちや健康上からの不安など、様々な想いが感じられます。お客様には、視覚的にも、聴覚でも楽しんでいただけることでしょう。
 
DSCN2929.JPG■前半のグルックとハイドン作品について
プログラムの最初には、18世紀に書かれたグルックの作品を演奏します。読響とグルック作品を演奏するのは今回が初めてで、非常に楽しみにしています。グルック作品は、メインのバルトークとは200年近く時代が異なりますが、接点や共通点も見られます。バルトーク作品が、バロック時代のコンチェルト・グロッソ(合奏協奏曲)の形式を用いているためです。例えば、ヴァイオリンの技巧的な早いパッセージが出てきたり、「精霊の踊り」のようにソロを際立たせて書かれてたり、時に非常に強いエネルギーを必要とするなど、いくつも類似点を挙げることができます。
次に演奏するハイドンの交響曲「驚愕」は、非常に有名な作品です。タイトル通り「驚き」がたくさんあり、ティンパニの強打だけではありません。ハイドン作品もまた、バルトークとの共通点を感じることができます。ハイドンもバルトークも、確立された形式を持ちながら、その上で自らの個性を発揮し、楽しみながら作曲しているように感じます。
 
3人の作曲家は、常に先進的な意識を持って作曲しました。そこには喜びや力強いエネルギーと共に、詩的な部分も感じられます。お客様には、このプログラムを通して、音楽への愛を感じていただければ嬉しく思います。皆様、会場でお会いしましょう!
 
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チケットは、絶賛発売中です。公演前日18時まで、読響チケットセンター0570-00-4390 でご予約いただけます。当日券は、両日とも開演1時間前から販売します。学生席(2,000円)の整理券も開演1時間前から配布します。皆様のご来場、お待ちしております。

第176回東京芸術劇場マチネーシリーズ

2015年4月 4日〈土〉 東京芸術劇場

指揮=シルヴァン・カンブルラン

グルック:歌劇「オルフェオとエウリディーチェ」から“序曲”“精霊の踊り”“復讐の女神たちの踊り”
ハイドン:交響曲 第94番 ト長調 「驚愕」
バルトーク:管弦楽のための協奏曲

第79回みなとみらいホリデー名曲シリーズ

2015年4月 5日〈日〉 横浜みなとみらいホール

指揮=シルヴァン・カンブルラン

グルック:歌劇「オルフェオとエウリディーチェ」から“序曲”“精霊の踊り”“復讐の女神たちの踊り”
ハイドン:交響曲 第94番 ト長調 「驚愕」
バルトーク:管弦楽のための協奏曲