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009 - コピー.JPG7月1日(土)と2日(日)では、ソロ・チェロ奏者の遠藤真理が、ドヴォルザークのチェロ協奏曲(指揮は小林研一郎)でソリストとして登場します。作品の思いやなどを語っていただきました。
※このインタビューは、プログラム誌「月刊オーケストラ」7月号の「楽員からのメッセージ」を短くしたものです。

__遠藤さんは4月に読響に入団したニューフェイス。7月1日と2日は、ドヴォルザークのチェロ協奏曲を披露します。
 
 この曲は少なくとも30回以上、オーケストラと演奏しています。初めて弾いたのは21歳の時、日本音楽コンクールに出た時で、上手く弾けたとは思わなかったのですが1位になりました。数年後、「プラハの春」国際コンクールの本選もハイドンのチェロ協奏曲第2番とこの曲でした。プラハ交響楽団の前奏が素晴らしい音色で、弦のトレモロが木の葉のすれあう音のように聞こえて、3分半ぐらいの間に、すっかり私の中に鮮烈なイメージが出来上がってしまったのです。もうコンクールなんていい、ここで弾けるだけで十分だと思って演奏しました。結果は(1位なしの)3位で、びっくり。私にとって思い出深い曲です。
 この曲の聴きどころは、オーケストラが伴奏ではないこと。それが一番だと思います。どの楽器にも素敵なメロディがいっぱい出てくる。オーケストラだけ聴いても飽きません。3楽章にはコンサートマスターとの掛け合いもあります。なかなか余裕がないのですが、 にこやかに演奏したいと思います。
 
__東京芸大卒業と当時にプロデビュー、オーストリア留学を経て、内外のオーケストラと共演(読響とは5回)してきました。
 
 ソリストとしてオーケストラと共演する時、だいたいどこのオーケストラも1回のリハーサルですぐ本番です。「どう弾きますか」とお互いに探り合うわけです。最初に読響と共演したのは2011年のサン=サーンスの協奏曲でしたが、怖かったですよぉ(笑)。でも、今回は全然雰囲気が違う。非常に貴重な機会だと思います。お互いが対話できるようなリハーサルと本番ができるといいなと思っています。とても楽しみです。
 
__これまでずっとソロ活動だっただけに、オーケストラで交響曲などを演奏するのはいかがですか?
 
 読響のチェロ・セクションは私をすごく支えてくれる。育てようとしてくれるのかもしれない。温かさを感じますね。セクションというのは大事だなと気付きました。私のようにオーケストラで首席を弾く経験がないのに受け入れてくれる態勢が出来ている。ソロ・チェロとしての先輩である毛利伯郎さん、嶺田健さんが築いてくれたものかなと思いますね。
 読響にはいい演奏家ばかりで、室内楽的な要素が感じられます。私は首席としてはまだまだで、大変なことはたくさんあるけど、とても楽しいです。音楽の世界が広がりました。

【演奏会情報】
7月2日(日)《第199回日曜マチネーシリーズ
※両公演とも残券が少なくなっております。