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interview3.jpg 読売日本交響楽団の第8代常任指揮者に、スタニスラフ・スクロヴァチェフスキ氏が就任することが決まり、12月16日に都内のホテルで記者発表が行われました。
現常任指揮者の第7代ゲルト・アルブレヒト氏の後任で、任期は2007年4月から2009年3月末までの2年間です。

 スクロヴァチェフスキ氏はポーランドの出身。
現在82歳で、アメリカのミネソタ管弦楽団の桂冠指揮者や、ドイツのザールブリュッケン放送交響楽団の首席客演指揮者を務めるなど、国際的に活躍する巨匠です。
読響とは1978年が初共演で、2000年以降は定期的に客演して、音楽ファンから圧倒的な支持を得て来ました。

 氏はブルックナー作品の優れた解釈者としても有名で、その交響曲の演奏に対しマーラー・ブルックナー協会から金メダルが贈られています。
さらには作曲家としても高い評価を受け、数々の賞に輝いています。
記者発表前の12月の定期でも、自作の「管弦楽のための協奏曲」を演奏して好評を博しました。

 常任指揮者に就任後は、氏が得意とするブルックナー作品の中から、当団とはまだ演奏していない交響曲を選んでプログラムに組んでいく予定です。
加えて、古典・ロマン派の名曲を氏独自の新しい視点から取り上げたり、自作をはじめとする現代音楽の傑作に取り組んだりと、幅広い活動を展開して行く――と意気込んでいます。

 一方、気鋭の日本人指揮者・下野竜也氏が、新設ポストの「正指揮者(英語名Resident Conductor)」に就任します。
任期は2006年11月から3年間
定期、名曲、芸劇名曲などの5シリーズに、各々年1回登場するとともに、地方公演にも出演します。

 下野氏は鹿児島市生まれの36歳。
2000年の第12回東京国際音楽コンクールで優勝。
併せて斎藤秀雄賞を受賞し、翌年秋の第47回ブザンソン国際指揮者コンクールでも優勝を果たして脚光を浴びました。
「現代曲や読響がこれまであまり取り上げなかった曲などにも、意欲的に取り組んで行く」と張り切る下野氏。
そうした活動に期待が集まる一方、07年12月には、恒例の「第九」にも登場の予定です。