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 ヴァイオリンとF1をこよなく愛する、小杉さんです。

 マンセルのファンだそうですね?

 20年前、中学生の時からF1のとりこなんです。鈴鹿サーキットや富士スピードウェイのレースが大好きで、去年も富士のF1日本GPに行ってきました。F1マシンの特殊なエンジン音が体に響いてくるんです。

 年齢の割にヴァイオリン歴は……

 長いんですよ。3歳からやっているので、もう30年になります。今はオーケストラの演奏のほかに弦楽四重奏のようなアンサンブルをすることもありますし、友人と一緒にヴァイオリン2挺でルクレールの〈2つのヴァイオリンのためのソナタ〉を楽しんで演奏することもあります。ヴァイオリンには小品の中にも名曲がたくさんありますから、地元で小学生くらいの子供たちを対象に子供音楽会をやっています。地域と交流が持てるというのもうれしいですね。

 お好きなヴァイオリニストは?

 ハイフェッツです。デジタル録音がない時代のヴァイオリニストです。アナログであれだけ完璧な演奏を、ものすごい集中力で残しているというところに驚かされます。ブルッフの〈スコットランド幻想曲〉はいつ聴いても感動します。絶対おすすめです。

 読響の指揮者で印象に残った人は?

 2人対照的な人がいます。1人はテミルカーノフさんで、低い小さな声で指示を出しますがほとんどしゃべりません。ところがオーケストラを歌わせるのがうまいんです。〈白鳥の湖〉は最高でした。もう1人はサンティさんです。ともかくよくしゃべる指揮者です。そしてテノールの美声でよく歌うんですよ。しかも驚くのは旋律を口ずさむとき、ハミングではなく、ちゃんとドレミで歌うんです。どんな速い部分でも……このような指揮者は他にいませんでした。楽員になってよかったなぁと思うのは、そういう指揮の名人たちと出会えることです。

(聞き手:Y.K.)