正指揮者・下野竜也氏が、いよいよ今シーズン初めての読響との演奏会(18日、19日)のリハーサルに臨んでいます。ブルックナーの交響曲第4番「ロマンティック」をメインに、ヒンデミットの珍しい2作品を、入念に時間をかけて練習を重ねています。
ブルックナー演奏では、スクロヴァチェフスキら巨匠との数々の名演を残している読響。下野氏とのブルックナーではどんな演奏をするのか、注目の演奏会です。
2日目のリハーサルを終えて、首席トランペット奏者の長谷川潤さんは、「以前、下野さんと鹿児島でこの曲を演奏したのですが、その時とはまた違い、より声部や音色に気を配り、合唱のような歌わせ方をしています。オペラシティやサントリーホールは豊かな響きのホールですので、金管楽器全体が響き合う美しさを感じていただけると思います」と意欲を語ってくれました。
また、コンサートマスターの藤原浜雄さんは、「この曲は、アルブレヒト氏やスクロヴァチェフスキ氏らとも演奏してきましたが、今回の下野さんの指揮は、明確な主張も持っていて、とても意欲を感じられます」と期待を寄せています。
ブルックナーと同じく、音楽ファンの注目を集めているのがヒンデミット作品。今回は、日本初演となる「管弦楽のための協奏曲」と、「『さまよえるオランダ人』への序曲」が演奏されます。管弦楽のための協奏曲は、「バロックのコンチェルト・グロッソの発想で作られており、オーケストラの各奏者にヴィルトォジティを求めている、技巧的にも難しい作品」(藤原浜雄さん)とのこと。
また、注目を集めているのが、「『さまよえるオランダ人』への序曲」(下野竜也編)。副題に「下手くそな宮廷楽団が朝7時に湯治場で初見をした」と付いており、ワーグナー作品をパロディとした冗談音楽です。演奏会情報のページからは、オリジナルの弦楽四重奏版の全曲を試聴いただけます。なお、今週発売の「週刊新潮」誌のテンポ/アーツ欄で取り上げられていますので、是非ご覧ください。
この曲の演奏に当たり、読響練習場には、普段は見られない風呂桶などの小道具も登場(写真:小道具で遊ぶチューバの次田さん)。どんな演奏になるのか、どうぞお楽しみに!
この演奏会への下野竜也氏の想いは、「マエストロからのメッセージ」でお読みいただけます。
当日券は、各日開演1時間前より発売いたします。また、イープラスでは「当日引換券」(席は選べません)を開演の3時間前まで発売しております。
皆様のご来場をお待ちしております。
第4回オペラシティ名曲シリーズ
2011年7月18日〈月・祝〉 東京オペラシティコンサートホール
指揮:下野竜也(読売日響正指揮者)
《下野プロデュース・ヒンデミット・プログラムVI》
ヒンデミット/〈さまよえるオランダ人〉への序曲 ~下手くそな宮廷楽団が朝7時に湯治場で初見をした~
(下野竜也編・弦楽合奏版、世界初演)
ヒンデミット/管弦楽のための協奏曲 作品38(日本初演)
ブルックナー/交響曲 第4番 変ホ長調 WAB.104〈ロマンティック〉(ハース版)
第506回定期演奏会
2011年7月19日〈火〉 サントリーホール
指揮:下野竜也(読売日響正指揮者)
《下野プロデュース・ヒンデミット・プログラムVI》
ヒンデミット/〈さまよえるオランダ人〉への序曲 ~下手くそな宮廷楽団が朝7時に湯治場で初見をした~
(下野竜也編・弦楽合奏版、世界初演)
ヒンデミット/管弦楽のための協奏曲 作品38(日本初演)
ブルックナー/交響曲 第4番 変ホ長調 WAB.104〈ロマンティック〉(ハース版)