この復興支援特別公演は、当団の創立50周年記念事業として企画したもの。5年間にわたり年1回ずつ、被災地で開催する予定で、今回がその初回にあたりました。会場には1700名を無料招待させていただき、満員の客席となりました。
開演前、高円宮妃久子さまは、「今、この演奏会での出会いは一つの絆。今晩の絆を大切にし、どんなにゆっくりでも希望をもって共に前に進んでいきましょう。日本の希望は、現在苦しんでおられる被災地にあると思います」と述べられました。
正指揮者・下野竜也の指揮で、ニコライの「ウィンザーの陽気な女房たち」序曲、シューマンのピアノ協奏曲(独奏:清水和音)、ドヴォルザークの交響曲第8番を演奏。演奏を終えると、お客様から大きな歓声と沢山の拍手をいただき、アンコールでは、会場全体で「ふるさと」を歌いました。
終演後に下野竜也は、「『ふるさと』では、目の前のお客様方が泣かれていて、言葉にならない体験でした。私たちは、逆にお客様から励まされました。今後はこの思いを忘れずに、頑張って行きたいと思います」と更なる決意を述べました。
高円宮妃久子さまは、演奏会に先立って、津波の被害を受けた同市内の薄磯、豊間両地区を視察されました。現場では渡辺敬夫市長から説明を受け、立ち会った両区長に「リーダーシップを発揮し地域の皆様と一緒に頑張ってください」とエールを送られました。