4月6日(金)、「第24回ミュージック・ペンクラブ音楽賞」贈呈式が、東京・千代田区にて行われました。
昨年10月の下野竜也/読響の「ジョン・アダムスと團伊玖磨の作品」による公演が、2011年度のクラシック部門のコンサート・パフォーマンス(日本人アーティスト)に選ばれ、贈呈式には当団・事務局長の坂田誠一郎が出席し、楯と賞状を頂きました。
残念ながら贈呈式に出席できなかった下野竜也の、受賞の喜びのメッセージをお伝えします。
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音楽とは? という事を考えていなかった訳では無かったはずですが、今から一年前、根本から問い直さなければならない事態が起こりました。音楽に出来ることは何か?必要か?音楽とは?という問いに向き合いながらのこの一年でした。その様な中、震災の前に決まっていたとは言え、今回、私たちの演奏会は、その中でも、作品そのもののメッセージ性が強いものであり、強度の緊張を伴う公演でした。こうした 私たち読響の活動を注目、評価して下さった事、心から感謝申し上げます。
音楽を通して、何かを思う、考えるという事を常に念頭に置きながらの活動を、評者の青澤隆明さんをはじめ、皆さん方が、冷静に見て下さった事にも、感謝しています。これからも、音楽家として、何が出来るかという、問いかけに対する姿勢をあらためて見つめ直す事となりました。そして、今なお、不自由な生活をされている方々に直接、何かお役に立てることを恒常的に続けていくことを忘れずに、音楽に携わる人間の一人として歩みを止めずに参りたいと思います。
今回の受賞に際し、多くの皆様に感謝申し上げます。
下野 竜也 (読響 正指揮者)