常任指揮者シルヴァン・カンブルランが来日し、昨日からマーラー「悲劇的」のリハーサルを行っています。120人を超す大きな編成の作品ですが、カンブルランは次々と細かな指示を飛ばし、コンサートマスターのダニエル・ゲーデを中心に音楽が作りあげられています。なお、今回の弦楽器の配置は、第2ヴァイオリンとヴィオラを入れ替え、ヴァイオリンが両翼(チェロとコントラバスは右側)になる珍しい形が取られています。
来日前には、スペインのマドリッドで歌劇「コジ・ファン・トゥッテ」を8公演指揮し、その稽古の合間にはドイツ・シュトゥットガルトを往復し、「パルジファル」の稽古も並行して行うなど多忙な日々を過ごしていたマエストロ。しかし、長旅の疲れも感じさせることなく、元気に練習に励んでいます。
「日本に着いたのが3月11日でした。あの震災からちょうど2年という日にこうやって日本にいるのも、何か運命のようなものを感じます」と当時を思い出しながら沈痛な面持ちで被災者への思いを語りました。「今回のマーラーやモーツァルトなどの2つのプログラムでも、力強さと美しさを追求し、それぞれの作品へ愛を注いで指揮します」と力を込めました。
今回の来日中に昨年12月の「第九」のCDが発売されることを伝えると「それでは、会場でサイン会をしましょう。ライヴで聴いた方も、ご来場いただけなかった方にも、是非聴いてほしいですね」と嬉しそうな表情でお話しいただきました。
16日からのカンブルラン&読響の演奏に、どうぞご期待ください。皆様のご来場、お待ちしております。
チケットのお申し込みは読響チケットセンター03-3562-1550(平日10時~18時)まで。