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今年度の最後のシリーズ公演となる24日(日)18時からのカンブルラン指揮の演奏会に向けて、リハーサルが順調に進んでいます。19日までマーラー「悲劇的」の大編成をまとめあげたカンブルランですが、今回は「マーラーの後には繊細な音が必要」という思いから、比較的小さな編成の作品を指揮します。
 
メインは「モーツァルトの中で最も美しい曲のひとつ」と語る交響曲第39番です。そして、前半には、モーツァルト「魔笛」からの引用が用いられているメンデルスゾーン「弦楽のための交響曲第8番」と、木管楽器のソロによるモーツァルト「協奏交響曲」を披露します。
 
「協奏交響曲」には、読響メンバーの蠣崎耕三(首席オーボエ)、藤井洋子(首席クラリネット)、吉田将(首席ファゴット)、松坂隼(首席代行ホルン)の4人がソリストとして登場します。4人は、この演奏会のためにまずはピアノ伴奏で2回練習を行い、14日にはカンブルランとの練習を行いました。
 
cambreling 13.3 004.jpg カンブルランとの練習後に4人に感想を尋ねると、「昔ながらの伝統的なスタイルとは違う。弾けて、鮮烈な印象」(蠣崎)、「生き生きとして、とても楽しい。アイデアをたくさんもらった」(藤井)、「まさに目から鱗。驚いたが非常に説得力のある音楽」(吉田)、「ダンスのニュアンスを感じる新鮮なリズム感」(松坂)と皆、カンブルランのモーツァルトに大きな刺激を受けた様子。特に第2楽章のアダージョでは、そのテンポについて、カンブルランが「ロマン派音楽のアダージョとモーツァルトのアダージョは違う」と持論を展開し、これまでのテンポ感と異なった音楽が展開されています。
 
また、この曲の聴きどころを伺うと、「天真爛漫で明るいところと、その中に悲しさが感じられる。旋律を吹くことが多く、とても気持ちのよい作品」(蠣崎)、「おしゃべりな作品で、ソリストの間やオケとの間の対話を楽しんでほしい」(藤井)、「音楽が弾けていて、どんな部分でも歌いたくて仕方がない」(吉田)、「各楽器の持ち味がとても良く出ている。ホルンの木管的な魅力も表れている」(松坂)とお話しいただきました。
 
24日の本番に向けてリハーサルが続いていますが、「本番でもカンブルランさんとメンバーの音楽がうまく融合できることを願ってます」(蠣崎)、「気張らずにオーケストラと一緒に表現できそうで楽しみ」(藤井)、「指揮者とソロの相乗効果がお客様にも波及できれば。自然体で臨みたい」(吉田)、「初めて自分のオケとの共演なのでとても嬉しい。素晴らしい先輩方の胸を借りて演奏したい」(松坂)と意気込みを語っていただきました。
 
24日(日)18時の東京芸術劇場公演、皆様のご来場をお待ちしております。なお、当日券(SAB席合計約120枚)は、17時から販売いたします。

第203回東京芸術劇場名曲シリーズ

2013年3月24日〈日〉 東京芸術劇場

指揮=シルヴァン・カンブルラン
メンデルスゾーン:弦楽のための交響曲 第8番 ニ長調
モーツァルト:協奏交響曲 変ホ長調 K.Anh.9(Ob:蠣崎耕三、Cl:藤井洋子、Fg:吉田将、Hr:松坂隼)
モーツァルト:交響曲第39番 変ホ長調 K.543