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215.jpg常任指揮者シルヴァン・カンブルラン指揮の9月3日公演のリハーサルが、読響練習所にて順調に行われています。今回演奏するのは、ブリテン、ウストヴォーリスカヤ、ストラヴィンスキーの3人の作曲家による20世紀の作品。近現代作品を得意とするカンブルランは、これらの作品で入念にリズムや響きを整え、様々なニュアンスを加えていきます。
 
今回、特に注目されるのがガリーナ・ウストヴォーリスカヤ(1919-2006)のコンポジション第2番「怒りの日」。ウストヴォーリスカヤは、ショスタコーヴィチに師事した女性作曲家で、ユニークで個性的な作品で知られています。今回の作品の編成も極めて独特で、コントラバス8本とピアノ、打楽器(木製の箱)という編成です。
 
 リハーサルでは、カンブルラン氏は明確なヴィジョンを持って楽団員たちに指示をし、この特殊な編成からユニークな響きを作っていました。
 
201.jpg首席コントラバス奏者の西澤さんは、この作品について、「作品が発表されてからずっとドキドキしながら、ようやくリハーサル初日を迎えました。タイトルの『怒りの日』に相応しい編成で、大変個性的な作品。微妙なニュアンスの変化にこだわって演奏しており、この珍しくなかなか聴けない作品との一期一会をお客様にも楽しんでいただきたい」と抱負を述べます。
 
また、演奏会全体について「9月3日は1941年にアウシュビッツで初めての大量処刑が行われた日で、『怒りの日』などのカンブルランの想いの込められたプログラムが組まれました。最後のストラヴィンスキーの『詩篇』で、全てが浄化してくれたらという気持ちで演奏します」と想いを語っていただきました。

第529回定期演奏会

2013年9月 3日〈火〉 サントリーホール

指揮=シルヴァン・カンブルラン
ヴィオラ=鈴木康浩(読響ソロ・ヴィオラ奏者)
合唱=新国立劇場合唱団

ブリテン:「ラクリメ」~管弦楽とヴィオラのための 作品48a 《ブリテン生誕100年》
ブリテン:シンフォニア・ダ・レクイエム 作品20 《ブリテン生誕100年》
ウストヴォーリスカヤ:コンポジション第2番「怒りの日」
ストラヴィンスキー:詩篇交響曲