読売日本交響楽団・名誉指揮者のラファエル・フリューベック・デ・ブルゴス氏は、健康上の理由により、今後一切の指揮活動を中止すると表明しました。事実上の引退ということになります。
氏は現在80歳。「私は癌に侵されており、主治医たちとの協議の結果、今後の一切の指揮活動を中止するべきとの結論に達しました。私自身、とても残念ですが、プロフェッショナルとして活動を続けることが保証できない以上、引き際がやってきたことを認めざるをえません」とコメントしています。
マエストロ・フリューベックは、1974年に読響へ初登場。以来、読響との関わりは40年近くにわたり、同じく74年に初めて共演した小林研一郎氏(特別客演指揮者)と並んで、もっとも共演歴の長いマエストロです。
80年10月には第4代常任指揮者に就任、83年10月まで務めました。以後は首席客演指揮者(~90年)、名誉指揮者(91年~)となり現在に至ります。共演回数は外国人指揮者で最も多く、169回の公演を指揮しています。これは、日本人指揮者を含めても全体の第4位に相当します。
膨大なレパートリーの中でも、スペイン音楽の演奏は特に高く評価され、多くの公演でアンコールとして演奏したヒメネスの〈ルイス・アロンソの結婚〉間奏曲は、マエストロ・フリューベックの代名詞とも言われるほどに高い人気を博しました。
読売日本交響楽団は、これまでのマエストロの多大な功績に感謝するとともに、一日も早く健康を取り戻されるよう祈念いたします。