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フリューベック・デ・ブルゴス氏は1974年6月に読響と初共演。以後定期的に客演を重ね、80年から83年まで第4代常任指揮者、84年から90年まで首席客演指揮者を務め、91年以降は名誉指揮者として、40年近くにわたり読響の発展に大きく寄与されました。
読響との共演回数は169回に及び、外国人指揮者では最多、日本人指揮者を含めても全体の第4位に相当します。得意のスペイン音楽とドイツ音楽を中心とする幅広いレパートリーで、長年にわたって東京のみならず全国各地の聴衆を魅了してきました。常任指揮者在任中には、当時としては先進的だったマーラーの交響曲演奏にも積極的に取り組みました。多くの公演でアンコールとして演奏したヒメネスの〈ルイス・アロンソの結婚〉間奏曲は、フリューベック氏の代名詞とも言われるほどの高い人気を博しました。
読響との最後の共演は、自作の〈ブラームス・ファンファーレ〉、ブラームスの〈悲歌〉〈運命の女神の歌〉〈運命の歌〉(合唱:新国立劇場合唱団)、ベートーヴェンの交響曲第5番〈運命〉を指揮した2012年12月1日の《第149回東京芸術劇場マチネーシリーズ》でした。
読売日本交響楽団は、生前のフリューベック氏の多大なる貢献と功績に心から感謝し、ここに謹んで哀悼の意を表します。
また、本日12日《第538回定期演奏会》で演奏するヴェルディの〈レクイエム〉を、氏に捧げます。