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IMG_9678.JPG  4月10日(金)と12日(日)は、常任指揮者シルヴァン・カンブルランが、ブルックナーの交響曲第7番などを披露します。ブルックナーのブルックナーを取り上げるのは、読響では初めてとなります。カンブルランのブルックナー演奏は、SWR響とのCD録音が新しい解釈で話題になっており、今回の演奏も日本でも注目を集めることでしょう。
 都内で行われているリハーサルでは、各パートの音の微妙なバランスを整えるために何度も繰り返すなど、入念な音楽作りが続いています。コンサートマスターの小森谷巧さんは「テンポや響きなど、全く新しいブルックナーになると思います。オーケストラもカンブルランの目指す音楽に柔軟に対応できている」と手ごたえを感じている様子。首席クラリネット奏者の藤井洋子さんは「新しい世界が見えてとても面白く、オーケストラで演奏する醍醐味を感じています。カンブルランの作る音色は、色彩豊かで歌があり、とても人間的」と語っています。
 カンブルランにプログラムについての想いをお話しいただきました。
 
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■ブルックナーの交響曲第7番について
一般的にブルックナーは、マーラーと様々な視点で比べて考えられることが多いですが、私は全く別のものと考えており、特に両方を比べたりはしません。またブルックナーの交響曲において、彼のキリスト教への宗教心については、あまり重要視をしていません。宗教心よりも、ベートーヴェンを引き継ぎ、ワーグナーの影響を受けた作曲法に興味があります。形式が確立されていて、非常に繊細な表現をしており、とても詩的です。そして、大きな弧を描くような線のような構造で書かれており、ずっと息が絶えないような長いフレーズが特徴で、常にそれらが途切れないようにしなければなりません。
 
IMG_9677.JPG第2楽章は、作曲の仕上げの段階でワーグナーの死を知り、そして完成されました。最後の音は、偉大な人の死を静かに受け止めているような長調で、とても平和な気持ちで終わります。第3楽章のスケルツォは、その悲しみから離れ、喜びや前向きに楽しむ要素が表れています。最後の第4楽章では、スケルツォと複雑なフーガを組み合わさり、知的で高尚な音楽が結晶として表れます。
 
■リームの「厳粛な歌-歌曲付き」について
ヴォルフガング・リームは、大変多くの作品を作曲しており、その作風や手法も多様です。この作品には、「父に捧げて」と書かれていますが、「父」はブラームスやマーラー、ベルクらの音楽的な父を表しています。特殊な楽器編成で、ヴァイオリンやフルート、トランペットなどを用いずに、非常に暗く落ち着いた音で、少しミステリアスに静かな音楽が広がります。最後に、ゲオルク・ビューヒナーの詩が歌われ、これも安息の音楽として閉じられます。ブルックナーの第2楽章に通ずる部分です。
 
■最後に
ブルックナーの音楽は、言葉で説明するのは、とても難しいです。私の想いを述べましたが、答えは全て音楽の中にあります。お客様には、心を開いて、自由に音楽を受け止めていただきたく思います。コンサートを聴き終えて、温かく和らいだ気持ちでお帰りいただければ嬉しいですね。会場で、お会いできることを楽しみにしております。
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チケットは、好評発売中です。ご予約は読響チケットセンター0570-00-4390 まで。当日券は、各日開演1時間前から販売します。学生券(2000円)整理券も、開演1時間前から配布します。皆様のご来場、お待ちしております。

第547回定期演奏会

2015年4月10日〈金〉 サントリーホール

指揮=シルヴァン・カンブルラン
バリトン=小森 輝彦

リーム:厳粛な歌-歌曲付き <日本初演>
ブルックナー:交響曲 第7番 ホ長調

第1回東京オペラシティ名曲シリーズ

2015年4月12日〈日〉 東京オペラシティコンサートホール

指揮=シルヴァン・カンブルラン
バリトン=小森 輝彦

リーム:厳粛な歌-歌曲付き〈日本初演〉
ブルックナー:交響曲 第7番 ホ長調