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zender.jpg9年間の常任指揮者を務めたカンブルランが、いよいよ常任指揮者としての最後の来日を果たしました。4日のリハーサルでは、読響との初共演(2006年)でも演奏したカンブルランの“勝負曲”の一つであるドビュッシー「海」と、今回が日本初演となるドビュッシー(ツェンダー編)「前奏曲集」を集中的に練習しました。

「前奏曲集」は、ドビュッシーのピアノ曲を、ドイツを代表する現代作曲家ハンス・ツェンダーがオーケストラ版に編曲したもので、多彩な打楽器が用いられています。木魚やウッドブロック、トムトム、グロッケンシュピールなどに加え、ミュージカルソー(のこぎり)、ウォーターゴングなどの珍しい楽器が使用されるほか、メロディカ(鍵盤ハーモニカ)を、フルート奏者とファゴット奏者が吹くように指定されています。

カンブルランは、この曲ついて「しっかりとピアノ曲の精神を生かしながら、ユーモアのある華やかなオーケストレーションが施されています。白黒の絵を、カラフルに色づけをしたような印象。中でもピアノ曲でペダルを使う部分を、色々な奏法を用いたり、楽器を組み合わせるなど、工夫して表している」と特徴を語りました。

初日のリハーサル終了後、カンブルランに現在の心境を聞きました。「まずは6ヶ月ぶりの来日で、日本のお客様との再会が楽しみ」と笑顔を見せます。「今回は特別な思いを持って来日しました。常任指揮者として、最後の来日。でも悲しいという思いではありません。今は、4つの素晴らしいプログラムへの意欲を持っています」と力を込めました。

「1つ目(7日と9日)はイベールとドビュッシーのまさにフランス音楽プログラム。読響と積み上げてきた成果が表れるでしょう。2つ目(14日)は、読響や歌手、合唱と大作『グレの歌』を演奏するチャレンジングなプログラム。3つ目(19日)の20世紀音楽を集めた小編成プロは、技巧的に難しいですが、お客様にも興味深い体験となるでしょう。そして最後(23日と24日)のベルリオーズ〈幻想〉は、本当に思い出深い作品で、何度演奏しても素晴らしい曲。これでお別れになります。でも永遠のお別れではなくて、一つの区切りです」

7日(木)と9日(土)公演のチケットは、好評発売中です。23日公演は残り僅かです。お申し込みは、読響チケットセンター 0570-00-4390(10時~18時)まで。皆様のご来場、お待ちしております。

第620回名曲シリーズ

2019年3月 7日〈木〉 サントリーホール

指揮=シルヴァン・カンブルラン
フルート=サラ・ルヴィオン

イベール:寄港地
イベール:フルート協奏曲
ドビュッシー(ツェンダー編):前奏曲集
ドビュッシー:交響詩「海」

第110回みなとみらいホリデー名曲シリーズ

2019年3月 9日〈土〉 横浜みなとみらいホール

指揮=シルヴァン・カンブルラン
フルート=サラ・ルヴィオン

イベール:寄港地
イベール:フルート協奏曲
ドビュッシー(ツェンダー編):前奏曲集
ドビュッシー:交響詩「海」