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7月15日(水)深夜2時29分(16日の午前2時29分)から3時29分までの日本テレビ「読響シンフォニック・ライブ」では、昨年10月15日のサントリーホールでの《第626回名曲シリーズ》から、名誉指揮者テミルカーノフの指揮によるチャイコフスキーの交響曲第5番などの模様が放映されます。
音楽プロデューサーの新井鴎子さんによる聴きどころは、以下をご覧ください。

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冒頭、これ以上ないほど遅い足取りで始まる「運命の動機」。チャイコフスキー自身が「運命への完全な服従」と呼んだこの楽章は葬送行進曲だったのだと思い知らされます。第2楽章の序奏も重く垂れ込めた暗雲のようで、そこからホルンのメロディが一筋の光のように射してくるコントラストの鮮やかさ。

81歳の巨匠テミルカーノフさん、旧ソ連時代を生き抜き、チャイコフスキーが暮らしたロシアの風土やスピリットを肌で知っているからこそ描ける音楽でしょう。甘美なメロディは歌いたいだけ歌い上げ、軽快なところはブンブン飛ばし、その大きな伸び縮みが19世紀後期ロマン派のロシア音楽を作り出します。そんな起伏の幅広い音楽ながら、マエストロは体を大仰に動かしたりせず、最小限の動きで豪快なサウンドを読響から引き出していました。

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なお、BS日テレでも7月25日(土)午前7時から放送される予定です。

日本テレビ「読響シンフォニック・ライブ」ホームページ:http://www.ntv.co.jp/yomikyo/