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7月22日(土)と23日(日)の《第259回土曜・日曜マチネーシリーズ》では、指揮者/クリエイティヴ・パートナーの鈴木優人が登場。パイプオルガンを弾き即興演奏を披露するほか、前半にはチェンバロを弾きながら、クープラン作品とバッハ作品を指揮。後半は、ラヴェルの「クープランの墓」、プロコフィエフの交響曲第1番「古典」を指揮します。鈴木マエストロに、今回のプログラムの聴きどころなどを伺いました。

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今回は、前半にバロック音楽、後半に近代のラヴェルとプロコフィエフの作品を演奏します。このプログラムの意図は?

ラヴェルの「クープランの墓」とプロコフィエフの交響曲第1番「古典」という二つの擬古典主義的な作品を取り上げようと考え、前半にはその原型であるバロック音楽を演奏してみようと考えました。時代が、前半と後半で対峙する形となっています。通常、シンフォニー・オーケストラでは類を見ない挑戦的な試みであり、私と読響ならではの仕掛けだと思っています。また、会場には素敵なパイプオルガンがあるので、冒頭で私がオルガンを弾き、リコーダーのベーレンさんと即興演奏を行います。

前半のクープランとバッハの2曲は少人数での演奏ですが、どんなリハーサルを行っていますか?

前半のバロック音楽では、一つ一つの音符をどう演奏するかというのを追求してリハーサルをしています。四分音符一つでも何万通りの弾き方があり、同じ譜面でもその読み方や譜面から受け取るインスピレーションで出てくる音が違います。今回は、コンサートマスターが日下紗矢子さんで、彼女もバロック・ヴァイオリンを演奏するなど、バロック音楽の奏法を良く知っていて、皆をリードしてくれています。また、メンバーたちはリコーダーのベーレンさんからも刺激を受けているようです。彼は同じ楽譜から見事な“言葉遣い”を作り出してくれます。バッハのブランデンブルク協奏曲第2番は、最も難度の高いトランペットが目立ちますが、リコーダー、オーボエ、ヴァイオリンと4つの楽器が平等に扱われているのが画期的です。充実したリハーサルができているので、お客様に聴いていただくのが楽しみです。

後半は編成が大きくなり、二つの作品を演奏します。どんなところに注目してほしいですか?

ラヴェルの「クープランの墓」では、バロック音楽の基本が「踊り」から成っていることから、舞曲による組曲の形となっています。色彩豊かなオーケストレーションが魅力です。オーボエの荒木奏美さんのソロにも注目していただければと思います。プロコフィエフの「古典」は、ユーモラスな曲。バロックの様式感やリズムの動機を使って、一種のジョークピースのような作品になっています。前半の2曲と後半の2曲を比較することで、様々な共通点や違う点などが見つかるかもしれません。その辺りもお客さまに楽しんでいただけたら嬉しいです。

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両日ともチケットは好評発売中です。お申し込みは、読響チケットセンター 0570-00-4390(10時~18時)へ。
当日券(余裕あり)は、各日13時から発売します。学生券(2,000円/25歳以下/要学生証)の整理券も13時から配布します。皆様のご来場をお待ちしております。

第259回土曜マチネーシリーズ

2023年7月22日〈土〉 東京芸術劇場

指揮&チェンバロ&オルガン=鈴木優人
リコーダー=アンドレアス・ベーレン
トランペット=辻本憲一(読響首席) 
オーボエ:荒木奏美(読響首席契約)
ヴァイオリン=日下紗矢子(読響特別客演コンサートマスター)

クープラン(鈴木優人編):「諸国の人々」から“ピエモンテの人々”
J.S.バッハ:ブランデンブルク協奏曲第2番 ヘ長調 BWV 1047
ラヴェル:組曲「クープランの墓」
プロコフィエフ:交響曲第1番 ニ長調 作品25「古典」 他

第259回日曜マチネーシリーズ

2023年7月23日〈日〉 東京芸術劇場

指揮&チェンバロ&オルガン=鈴木優人
リコーダー=アンドレアス・ベーレン
トランペット=辻本憲一(読響首席)
オーボエ:荒木奏美(読響首席契約)
ヴァイオリン=日下紗矢子(読響特別客演コンサートマスター)

クープラン(鈴木優人編):「諸国の人々」から“ピエモンテの人々”
J.S.バッハ:ブランデンブルク協奏曲第2番 ヘ長調 BWV 1047
ラヴェル:組曲「クープランの墓」
プロコフィエフ:交響曲第1番 ニ長調 作品25「古典」 他