明日7月9日(火)《第640回定期演奏会》では、欧州で注目を浴びる新鋭指揮者カタリーナ・ヴィンツォーがブラームスの交響曲第2番などを指揮し、日本デビューを果たします。
ベルリン・ドイツ響、ケルン放送(WDR)響、BBC響などを振るオーストリア・オーバーエスターライヒ州生まれの新鋭ヴィンツォーが初登場。日本デビューとなる今回、“お国もの”とも言えるブラームス2番をメインに、フランス現代作曲家のコネソン、20世紀日本を代表する矢代秋雄作品の3曲を指揮します。コスモポリタンに活躍する彼女の才能が開花するでしょう。前半には、ドイツを代表する名手シュテッケルが、矢代の代表作とされるチェロ協奏曲を弾き、深い芸術性へと迫ります。
初登場となるヴィンツォーに、今回のプログラムの聴きどころなどを伺いました。
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__今回が初来日ですか? リハーサルを終えて、読響の印象はいかがですか?
はい、日本に初めて来ました。来日経験のある友人が周囲にたくさんいましたので、日本について色々聞いてきました。「文化の違いなど大丈夫かな」と少し緊張していましたが、実際に来てみたら皆さんとてもフレンドリーで親切にしてくれて安心しています。読響は、私の指揮に対する反応がとても良く、素晴らしいオーケストラだと感じています。
__9日のプログラムの聴きどころや特徴は?
まずは3つの作品の組み合わせが特徴的です。矢代作品は読響から提案いただき、コネソンは私から提案したのですが、素敵なコンビネーションなったと思います。この二つの作品に、オーケストラの皆さんもよく知っているブラームスを組み合わせました。それぞれ異なる多様な曲をお届けできるのがとても楽しみです。
コネソン作品は、作家ラヴクラフトの短編小説が基になっていますが、それを知らなくても、聴いただけでストーリーが想像できるような、色彩豊かな曲です。矢代秋雄さんの作品は、私は初めて指揮します。フランス音楽の要素もありますが、新ウィーン楽派の音楽を彷彿とさせます。ひとつひとつの音、何気ないと思えるような部分まで、すべてがとても大事で意味を持っていると感じさせる曲です。現代作品も得意としているシュテッケルさんによる説得力のある解釈と音楽性にも、ご注目ください。ブラームスは、時に「保守的な作曲家」とも思われがちですが、私は彼の作品から様々な革新性を感じています。例えば、拍子に逆らったり、ずらすような革新的なリズムを使っている部分があり、調性の変化やサウンドからも先駆的なところを感じられます。ブラームス独自の構成美も備えていて、とても興味深い作品です。
__最後にお客様にメッセージを。
今回、読響とシュテッケルさんと共に、日本のお客様へこのような多彩なプログラムをお届けできることを、とても幸せに感じています。それぞれ魅力にあふれた曲ですので、会場で楽しんでお聴きいただけたら嬉しいです!
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チケットは、読響チケットセンター 0570-00-4390(10時~18時)及び 読響チケットWEBで発売中です。
当日券は、18時から販売します。また、学生券(2,000円/25歳以下/要学生証)の整理券も18時から配布します。皆様のご来場をお待ちしております。
第640回定期演奏会
2024年7月 9日〈火〉 サントリーホール
指揮=カタリーナ・ヴィンツォー
チェロ=ユリアン・シュテッケル
コネソン:「ラヴクラフトの都市」から“セレファイス”
矢代秋雄:チェロ協奏曲
ブラームス:交響曲第2番 ニ長調 作品73