News

20250819_8004.jpg8月23日(土)と24日(日)各14時から東京オペラシティで開催する「第280回土曜・日曜マチネーシリーズ」では、首席客演指揮者ユライ・ヴァルチュハが、R.シュトラウスの「メタモルフォーゼン」とベートーヴェンの交響曲第3番「英雄」を指揮します。

リハーサル中のヴァルチュハに、今回のプログラムの聴きどころなどを伺いました。

       ◇    ◇    ◇

___このプログラム、2曲の選曲について教えてください。

R.シュトラウスの「メタモルフォーゼン」には、ベートーヴェンの「英雄」第2楽章からの引用があり、この2曲には明らかな繋がりがあります。ベートーヴェンの音楽が、シュトラウスやマーラーらその後の多くの作曲家に多大な影響を与えたことを改めて感じられます。「メタモルフォーゼン」は、シュトラウスによる“ベートーヴェンへのオマージュ”ともいえるのではないでしょうか。また、「英雄」の最終楽章は変奏曲ですが、「変奏」は「メタモルフォーゼン(変容)」ともいえ、ここにもこの2曲の繋がりがあります。「変奏」は一つのテーマを変形させることですが、それは基となるものから新たに何かを創造することなのです。

___両作品の音楽的な特徴、聴きどころは?

「メタモルフォーゼン」は弦楽器のみの曲で、読響のふくよかで素晴らしいサウンドをご堪能いただけるでしょう。この曲は第二次世界大戦が終わる頃に書かれており、引用している「英雄」の第2楽章は葬送行進曲。失われた世界に対する思いが表れています。シュトラウスはこの曲で、世界の「変容」を訴えたのかもしれません。

ベートーヴェン「英雄」は、第2楽章にオーボエのソロがあるなど、木管楽器が活躍します。また第3楽章には3本のホルンによるコラールがありますが、交響曲でホルンが3本使われたことはそれまでなく、この曲が初めてです。楽器の新しい可能性を見い出し、また当時の交響曲としては異例なほど長く、当時の人々にとっては“現代作品”でした。交響曲というジャンルを進化させ、古典派とロマン派のかけ橋となる、ロマン派につながる新しい扉をひらいた画期的な作品です。

___最後にお客様にメッセージを

日本のお客様は本当に集中して熱心に聴いてくださるので、皆さんに演奏をお届けするのを毎回とても楽しみにしています。会場でお待ちしています!

       ◇    ◇    ◇

当日券は、両日とも13時から販売します。学生券(2,000円/25歳以下/要学生証)の整理券も13時から配布します。皆様のご来場をお待ちしております。

第280回土曜マチネーシリーズ

2025年8月23日〈土〉 東京オペラシティコンサートホール

指揮=ユライ・ヴァルチュハ

R.シュトラウス:メタモルフォーゼン
ベートーヴェン:交響曲第3番 変ホ長調 作品55「英雄」

第280回日曜マチネーシリーズ

2025年8月24日〈日〉 東京オペラシティコンサートホール

指揮=ユライ・ヴァルチュハ

R.シュトラウス:メタモルフォーゼン
ベートーヴェン:交響曲第3番 変ホ長調 作品55「英雄」