当楽団の第3代常任指揮者を務められた若杉弘氏が、2009年7月21日午後6時15分、逝去されました。享年74。
若杉氏は、1965年に当楽団指揮者に就任、1972年からは第3代常任指揮者を務めました。その間、シェーンベルク作曲〈グレの歌〉やペンデレツキ作曲〈ルカ受難曲〉の日本初演など、楽壇の話題を集めました。後者では芸術祭賞を受賞するなど、草創期の当楽団の発展に大きく寄与されました。
その後、氏はケルン放送交響楽団首席指揮者、デュッセルドルフのライン・ドイツ・オペラ音楽総監督を務めるなど、国際的指揮者として活躍。2007年9月には新国立劇場オペラ部門芸術監督に就任しました。
当楽団との最後の共演は、2007年6月の第461回定期演奏会でした。7人のソリスト、混声合唱と大管弦楽からなる大編成の作品、メシアン作曲〈われらの主イエス・キリストの変容〉で手腕を発揮し、公演を成功に導きました。
生前の氏の当楽団への貢献と功績に感謝するとともに、ここに謹んで哀悼の意を表します。
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