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明日11月19日(木)19時からサントリーホールにて《第603回定期演奏会》を開催します。

指揮は、読響指揮者/クリエイティヴ・パートナーの鈴木優人。プログラムは、5月に《定期演奏会》でお披露目するはずだったシューベルトからベリオという流れに、今回新たにシャリーノ作品を加え、今に生きる音楽に迫ります。私たちがコロナ禍で経験した音楽の“沈黙”を経て、「客席で生の音に耳を傾ける」という行為について改めて想いを巡らせる良い機会になるでしょう。

鈴木優人に演奏会の聴きどころ、抱負を伺いました。

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__回のプログラムは、シューベルトと二人のイタリア人作曲家の作品を演奏します。
5月に予定されていたシューベルトとベリオに、今回はシャリーノ作品を加えました。演奏会を通して、シューベルト作品の素晴らしさが伝わる演奏会になると思います。シューベルトの存在なしには、その後のオーケストラ音楽の発展はなかったのではと感じています。

__1曲目には現代イタリアを代表する作曲家シャリーノの作品を取り上げます。
読響では、シャリーノ作品の演奏するのが初めてとのこと。シャリーノはサントリーホールとも所縁のある作曲家で、1987年にルイジ・ノーノによって紹介され、2005年には来日しています。彼はまさに「音の魔術師」です。今回の「夜の肖像画」でも弦のハーモニクスを巧みに用い、今までない手法で文字通り音によって絵を描いています。インクが滴る感じは東洋の水墨画に近い印象で、日本的な美学を感じるものです。

__2曲目に演奏するのは、シューベルトの交響曲第4番「悲劇的」ですね。
一般的にはあまり有名ではないですが、本当に感動的なシンフォニーです。素晴らしい作品だと思います。第2楽章は「憧れ」を音にした美しさが際立ちます。歌曲を得意にしたシューベルトの「歌」そのものです。一方、第4楽章は、躍動感あふれる音楽で、読響の演奏のはじけぶりにも注目していただけたらと思います。

__後半は、シューベルトの未完の交響曲を基にしたベリオの「レンダリング」です。
シューベルトの未完のニ長調の交響曲を、ベリオは陶器の欠けた部分を「金継ぎ」するようにティシュー(織物)を用いて埋め、作曲しました。この継ぎ目の部分では、チェレスタを用いてピアニッシシモの弱音で鳴らすなど、タイムスリップするかのような音楽を書いています。夢のような部分で響きのグラデーションが美しいのです。全体としてベリオの謙虚さと技が光りつつ、シューベルトの感動的な音楽が浮かび上がります。R.シュトラウスの先取りしたようなウィーンの香りも感じます。最晩年のシューベルトの音楽は、現代にも広く生きる価値を与えるものとして響くでしょう。

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チケットは、読響チケットセンター 0570-00-4390(10時~18時)及び 読響チケットWEB で販売中。当日券は、18時から販売します。学生券(2,000円/25歳以下/要学生証)の整理券も18時から配布します。皆様のご来場を、お待ちしております。


ご来場のお客様は、読響の「感染予防対策」へのご協力をお願いします。

第603回定期演奏会

2020年11月19日〈木〉 サントリーホール

指揮=鈴木優人
シャリーノ:夜の自画像
シューベルト:交響曲第4番 ハ短調 D417「悲劇的」
ベリオ:レンダリング~シューベルトの未完の断片を用いて~